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2017年5月 1日 (月)

四月のしをり

神隨

かむながら

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 八百萬の神々、天神地祇をまつり、祈ることをもって生活の節目としてゆく暮らしの姿を「神道」と呼んでゐます。今日では仏教・キリスト教その他の諸宗教と対比ないしは並列的に分類されて「宗教」の一つともされてをります。たしかに神道には宗教としての特質もありますが、宗派的なものを超えた文化的事象をも神道と称することも多々あります。また、神道は天地悠久の伝統を継承する道であるとも説かれます。

 さて神道が、わが國の太古に遡るものであるならば、支那大陸から漢字が伝来する以前は、「神道」といふ呼称はなかったことになります。「神道」といふ用語が歴史にはじめて登場するのは「日本書紀」の孝徳天皇の条で、「仏法」に対比しての用語として使用されます。つまり、仏教がわが國に伝来し、重視される以前には、わが國の神まつりの姿を、わざわざ名をつけて呼ぶ必要も無かつたのが、仏教の登場により、それと区別する必要が生じたのです。そもそもは「神道」がなかったとも言へます。

 名前がないのは古代を語るときに不便ですから、江戸期の國學者は「かんながらのみち」とよぶやうになりました。万葉集や続日本紀にある「神随」「惟神」などの読みを当てました。ただ、これらの古代の用語は副詞として使用され、「かんながら・の・みち」といふ名詞あるいは形容詞的用法は江戸期國學者の発案のようです。

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