« 2016年12月 | トップページ | 2017年3月 »

2017年2月

2017年2月10日 (金)

二月の月次しをり

邯鄲の鳴く音聞かむと那須の野に
集ひし夜をなつかしみ思ふ

****************************************************

本年の歌会始の御製です。宮内庁による説明は以下の通りです。
「天皇皇后両陛下は、夏の時期、那須御用邸で数日間をお過ごしになります。那須御用邸では、陛下のご意向を受け、平成九年以降、計十年間にわたって、栃木県立博物館が中心となり敷地内の動植物相調査が行われ、報告書にとりまとめられました。この御製は、嚶鳴亭近くで、夜間、研究者から説明をお聞きになり、邯鄲の声をお聞きになったときのことを思い起こされてお詠みになったものです。」
生物学者でもあられる陛下が、研究者達との集ひを懐かしまれてをられるとの説明ですが、私どもが虫の音を懐かしむといへば、子供や孫も含めた家族で夕刻を過ごす状況が先ず目に浮かびます。学術調査の折の御製としながら、見えない心の背景として、子や孫への思ひのつながりが隠されてゐるに相違ないと拝察します。

****************************************************

2902

| | コメント (0) | トラックバック (0)

一月の月次しをり

不改常典

あらたむまじきつねののり

****************************************************

 元明天皇の即位のときの詔に、天武天皇が「天地とともに長く日月とともに遠く、改むまじき常の典と立て賜い、敷き賜える法」により即位するとされます。この趣旨のことは聖武天皇、桓武天皇と奈良・平安時代の天皇をはじめ、江戸時代の天皇の即位の詔までたびたび言及されることばとなってゐます。
 天武天皇が具体的にどのやうなことを定められたのかは、「日本書紀」などの史書には明らかにされてをりません。むしろ文章化されない不文の大法であったのでせう。近代国家となつてからの「憲法」や「皇室典範」のやうな成文法以前に、その前提となる基本が定められてゐるのです。
 かうしたことは、皇位継承といふ重要なことにはもちろんですが、私どもの日常のさまざまなことがらにも言へることではないでせうか。刑法だとか民法だとかに定められてはいなくとも、人として当然守るべき道や規といふものは様々な分野に存在してゐます。むしろそれらによってこそ、人の暮らしやこころが豊になり、暖かな世の中、勝れた文化が生まれてきます。神社を中心とした「まつり」と「くらし」には「不改常典」が満ちあふれてゐます。このことを大切にする暮らしをめざしませう。

***************************************************

2901

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2016年12月 | トップページ | 2017年3月 »