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2016年5月29日 (日)

三月のしをり

水と辯才天

みづとべんざいてん
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 先月、東京のサントリー美術館で「水ー神秘のかたち」と題する展覧会が開催されました。水に関する古来の信仰に関はるさまざまな美術品などが展示されました。ここに依頼もありまして瀬戸神社所蔵の弁財天ほか御神像も出展いたしました。弁財天だけでなく竜神や水分り神また観音菩薩像など多様な水と関はる信仰のかたちを収集した特別展でありました。
 水は生命の根源であり、人間一人一人の肉体的健康はもちろん、精神的にも心に「潤い」を与へるもので、また農業のみならず地球上の大自然、すべての生命にも不可欠なものです。井戸・雨・川・海と様々なかたちで、またどの宗教の儀式や造形にも重要な要素になってゐます。生命・生産に不可欠であり、浄化の働きや水運流通の機能とも関はる一方で、種々の災害をももたらす水の力に対する畏怖の気持ちは、如何に科学技術が進歩しようと変わることのないものでありませう。
 弁才天は神道の神としては市寸嶋比賣命とされます。インドではサラスヴァーティといふ河の神で、せせらぎの音から音楽の神ともされ、琵琶を持つお姿で表されます。漢訳表記は辯才天ですが、辨財天とも表記されるやうになりました。『金光明最勝王経』「大弁才天女品」の所説により八臂の姿で國家鎮護の神でありました。中世からは頭には人面蛇身の宇賀神を載せて表現がれ、持物に宝珠と鍵が表されるのも福徳・財宝の神としての要素からです。宇賀神は日本の古い水と農業の信仰を受け継ぐものとも考へられます。江之島・竹生島・天川・厳島などが弁財天を祀る主要な神社としても知られてゐます。
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