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2012年10月30日 (火)

十一月の月次しおり

 今年は古事記選録から一千三百年といふことで、各地で神話に関はる記念行事や展示会、講演会、また観光イベントなどが催されてゐます。

 和銅五年(七一二)に太安万侶が完成した古事記を元明天皇の献上してから、二〇一二の今年がちょうど一三〇〇年に当たるわけです。

 これより先、天武天皇のとき、語り伝へられてきた家々の歴史や物語、歴代天皇の事跡から、正しいものを定めて稗田阿礼に暗唱させました。この語り伝へ、暗唱による伝承を文字に書き写す仕事を太安万侶が担当したのです。

 古語のやまと言葉が初めて文字(漢字)に写されました。今日の人は、文字を使用することがあたりまへですが、初めて文字を使って口承の物語を表すのは大きな苦労がありました。

 天武天皇は、正しい歴史は国家の基本として不可欠なもので、これをしっかりと後の世にも伝へなくてはいけないと仰せられたのですが、このことを安万侶は「欲流後葉」の文字で表現してゐます。

 時代・世を「葉」で、また「伝へる」を「流」の文字で書き記しました。

 古い葉も新しい葉も一本の枝や幹でつながってゐます。また一筋の生命の流れでつながってゐます。伝統や正しい倫理観の継承には、命のつながりがあることを、古代の人は意識してゐたからこそ、このやうな文字遣ひがされたのでせう。


H2411

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