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2012年9月30日 (日)

十月の月次しおり

月読命

昨日は中秋の名月の「お月見」でした。旧暦の八月十五日の満月です。
(あいにく台風のさなかで、お月見ができませんでした。)

ところで、天照大御神が日神とされるのに対し、月の神は「月読命」とされます。
伊邪那岐神が禊ぎをされた時に、天照大御神、速須佐之男命とともに生成された神様ですが、記紀神話では天照大御神、速須佐之男命とくらべると出番が少ないですね。
日本書紀の一書には月読命が保食神(うけもちのかみ)と出会ったとき、保食神が口から海山の産物をはき出してご馳走しようとしたのを、汚らはしいと斬り殺してしまったといふ物語を載せてゐます。それを咎めた天照大御神が、お前とは一緒にゐたくないと、昼と夜の世界に別れてしまったと説明してゐます。
殺された保食神の体からは牛馬・粟・蚕・稲・麦・豆などが生じ、人の食物や生産活動の起源神話となってゐます。
(「うけもちのかみ」のウケは、稲荷の御祭神である倉稲魂(うかのみたま)の神のウカや、神宮外宮御祭神の豊受(とようけ)大御神のウケと同様で、神饌・御饌を「みけ」といふときのケも含めて、食物を指す古語です。)

同様の話が、古事記では速須佐之男命と大宜津比売(おほげつひめ)神の話として登場します。
月読神と速須佐之男命とは古い時代に神話伝承の中で混同されることもあったのかと推測もできます。
(「おほげつひめ」のゲ(ケ)も、当然、食物を指すケです。)

大宜津比売神は伊邪那美神が火神をお生みになった後の病苦のなかで排泄物の中から金属・土・水の神とともに生まれた和久産巣日の神の子です。排泄物から大切な食物の神が生まれるといふのは日本神話の大きな特色だとの指摘(工藤隆著「古事記の起源」)もあります。
古代日本の農業の特色が、神話として今日にも伝承されてゐるのですね。
(豚を飼ふことをせずに、人糞肥料を使用する農業です。豚を飼育する文化圏では一般的に人糞は豚の餌となります。)

(神話の研究には、インドネシアのハイヌヴェシ神話や中国少数民族の各種の神話との比較研究が大切ですが、こうした少数民族の文化の否定が中国国内=雲南省や四川省さらにチベットなど=で進んでゐるらしいことも心配です。)

「月次しおり十月.pdf」をダウンロード

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